家づくりを考え始めたばかりだと、人件費や材料費の高騰に伴い実際どれくらい費用がかかるのか不安を感じると思います。
そこで今回は、国の新築住宅向け補助金制度を押さえつつ、負担や不安を少しでも軽減して“より快適な家づくり”を実現するヒントをお届けします。
💰 1. 住宅を取り巻く最新コスト事情
これまで建築業界では短期的な価格の高騰はあっても10年以上大きな値上がりはありませんでした。
しかしコロナを機会に安定した建築棟数の減少から少しづつ価格上昇の傾向が進み、直近では毎年のように材料の値上げが発表されてきました。
これからの建築費用の上昇には以下を含めた複合要素があると考えています。
・この数年での材料価格の高騰
・人手不足に伴う人件費の上昇
・物価高による生活費の圧迫
・今後上がる可能性が高い住宅ローン金利
これらの価格上昇の要素をみると
これからの家づくりは、費用面でますます厳しくなると予想されます。
🌿 2. sooto が考える「3 つの快適」
sooto では 「お打ち合わせ・デザイン・性能」 の 3 つを“快適”の柱と捉えています。
なかでも ”性能”による住環境快適さ については、生涯を過ごす家でどれだけ快適に暮らせるかを追求。設計手法と建築経験を重ね、日々改善を続けています。
その結果、国が 2050 年カーボンニュートラル実現に向けて年々厳しくする住宅性能基準を大きくクリアした家を提供してきました。
📄 国土交通省
2050年及び2030年に目指すべき住宅・建築物の姿(あり方)
今後も国の目標である「2050 年までに既存住宅を含む平均性能を ZEH 基準まで引き上げる」方針のもとで、sooto は“快適”を追求し、そのハードルを超え続けていきます。
🎨 性能・デザイン・オリジナリティとコスト
性能やデザイン、オリジナリティを求めるほどコストは膨らみます。
しかし「良いもの=高い」だけでは、理想の家づくりに手が届きにくいのも事実。これまでさまざまな建築手法や工法を採用し、その都度コストを検証してきました。
・デザイン
・構造(基礎・木造躯体)・仕上げ・設備機器
・メンテナンス性・作業性
これらを総合的に考え、特別なコスト増を行わずに補助金を受給できる家を実現しています。
今後も最適解を求め続け、補助金の性能要件を上回る家づくりをしていきます。
🏡 3. 2025年に使える主な補助金
今回新たに、ZEH や長期優良住宅を上回る補助金として、2024 年秋に GX 志向型住宅補助金 が発表されました。最大補助額であるため、活用は必須といえます。
これまで、高性能住宅への移行を推進する為にZEHや長期優良住宅に対しての補助金を当初は100万円以上として、多くの方が高性能住宅建築を選択するように進められてきましたが、
平均水準の底上げや建築業者の施工レベルの定着を踏まえて、これまで以上のレベルアップの促進としてZEHや長期優良住宅の補助金は減額、その代わりさらに高性能となる住宅建築に対しての補助金が用意されました。
🌱 4. 2025 年に注目したい補助金 ― GX 志向型住宅補助金
GX 志向型住宅の主な要件
・断熱性能:断熱等性能等級 6 以上(UA 値 0.46 以下/HEAT20 G2 以上)
・一次エネルギー消費量:モデル住宅比 35% 以上削減
・再エネ導入:太陽光などで年間消費エネルギーを 100% 以上削減
・高度エネマネジメント:ECHONET Lite AIF 対応 HEMS 設置
HEMS(ヘムス)とは?
・分電盤で家中の電気使用量を“時間単位で見える化”
・取得したデータをもとに、生活リズムに合わせて設備を自動制御
・無駄なエネルギーを減らし、暮らしを便利にする仕組み
当初は導入が難しかったHEMSですが、ここ数年で大きく変化しています。
・スマートスピーカーの普及
・低価格なIoTガジェットの登場
・アプリで家電を操作する生活の一般化
・光熱費高騰で省エネ意識の向上
こうした流れから、配線をやり直さなくてもエネルギー管理が可能になってきたと考えます。
🔍 GX 志向型住宅補助金が HEMS を条件にした理由
GX 志向型住宅では HEMS 設置が必須ですが、「電気系統をこの基準でまとめる」といった細かな指導要項は示されていません。
おそらく国は IoT対応機器との連携でエネルギー計測までこなす未来を前提にしているのでしょう。もし機器同士が連携し、
・生活リズムを学習 → ベストタイミングで照明やエアコンを自動制御
・工事不要で設置できる
という世界が実現すれば、“面倒な配線工事なし”でさらなる省エネが可能になります。
GX 補助金は、そんな近未来型スマートホームへの布石 なのかもしれません。
⚠ 5. 補助金活用時に注意すべきポイント
補助金を受給するにあたり各補助金の条件をクリアすることで住宅性能もあがり、生活も豊かに近づくことは間違いありません。
しかし、家づくりを行うにあたっての資金補助として補助金を活用する為に、大きく追加費用が必要になるのであれば意味がないものになります。
それを踏まえて以下について注意していください。
1.追加費用の把握
・例:GX 志向型住宅にする為 断熱工事を行うので数十万円かかる。
2.元の仕様レベルを確認
・既に基準を満たしていれば、書類作成のみで申請可能
3.税制優遇や自治体補助との併用(GX志向型住宅としての証明を兼用できる)
・長期優良住宅認定で、住宅ローン控除・登録免許税・固定資産税などが軽減。
ハウスメーカーやほとんどの工務店ではそれぞれの仕様、価格でお家を販売しています。
そこから目的の補助金受給を受けれるまでにどれほどの費用がかかるのかもしっかり確認することで、もともとの仕様がどれくらいのレベルだったのかも知ることができます。
✅ 6.まとめ
補助金を受けることは、予算への大きな助けになりますが、
ベースとなるお家の性能(断熱等性能等級、構造等級、一次エネルギー消費量削減率、長期優良住宅認定)や設備(太陽光発電や自家発電設備等)が 補助金を受給できる基準に達していない場合はそれにかかる費用が必要になるので、
結果的に予算の補助にはならなかったということになります。
そうならないように、事前に全体の予算、求めるお家の性能を決めた上で どの補助金を採用するかを検討してください。
もしあなたが、理想の家づくりを行いたいと考えているのであれば、
こういった質問や要望を伝えて相手の対応が悪い場合は、一度踏みとどまって納得いくまで話してから進めてください。
子育てグリーン住宅支援事業に関する補助金は今年3回に分けて補助金申請を区切っています。
1回目の申請は終了していますが、全体予算枠の30%を上限としていたなか、半分程の18%しか申請されていません。
条件レベルが高いので、3回目まで予算枠は十分残ると予想します。
「締切間近!」という言葉に惑わされずしっかり検討してください。
🙋♀️ 7.sootoのお家性能
ついでにsootoの全てのお家の性能とその内容についても書き出しておきます😊
・長期優良住宅認定取得(耐久性維持管理基準の証明、構造強度の証明、納税を含めた維持費用削減)
・Bels取得(断熱等級、省エネ性能の証明、各種補助金証明対応)
・断熱等性能等級6以上(Ua値0.45以下)
・耐震等級3(許容応力度計算による長期優良住宅申請及び認定で証明)
上記により補助金受給等で必要となる性能の証明を行なっています。
また、実質的な生活環境の快適さ(室温の安定化)を確保する為に気密性能も重視しています。
例えるなら、断熱性能の良いクーラーボックスでも穴があいていたり、蓋が閉まっていなければ
能力を発揮できません。
お家も同じで高い断熱性能があっても隙間があればあっという間に外気の影響を受けます。
・気密検査実施(C値0.3以下、設備配管等の気密層貫通工事完了後実施、実施機関よる証明取得)
これらをsootoのお家の守るべき基準としているので、従来の補助金で再エネ設備(太陽光発電等)の設置を条件とする補助金以外は全て受給ができました。
また、太陽光発電が必要な場合も、LIXIL の PPA 型システムで設置費用を抑えています。
GX志向型住宅の受給については、これまでの仕様を基準にすると分電盤の変更が必要になりサイズによって異なりますが、数万円の費用が必要になります。
📝最後に
どの補助金を採用するのが正解かは、その人が求めるものや予算によって違うと考えます。
皆さんが上手に補助金を活用した家づくりができることを願っています。
最後までお読み頂きありがとうございました。
※今回、国が行なっている新築住宅に関する補助金についてお話ししました。
各市町村単体でも補助金を出しているものがあります。
ご自身の建築予定地の各市町村のHPや問い合わせで確認する必要があるので省きました。
設備機器に限定されますが下記のサイトから、簡単に現在公募されている補助金が検索できますので活用してください。
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