こんにちは。sootoの足立です。
今回は【家づくりを上手に進めるための手順】その④、“計画地(土地)は?”についてお話しします。
※前回の記事はこちら。
sootoではお客様から土地購入の相談を受けた時、その土地がお客様にとって本当に良い土地なのか、以下3つの観点から考えていきます。
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①居住環境として納得できる地域か?
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これから住み続けていく場所として本当にこの土地でよいのか?という【生活目線】で検討していきます。
この項目については妥協できるポイントもあるので、家づくり予算との比較検討材料として持ち越しても大丈夫です。
検討ポイントは次に挙げる3点です。
□地域性
地域の治安や安全性、夜間の街灯設備、近隣住民の年齢層など。
これからそのに住み続けていくことをイメージして考えてください。
□利便性
交通手段(徒歩・バス・電車・道路)、日常の買い物先、病院などの救急施設の有無など。
すべての条件が揃うことは難しいですが、生活への影響が大きい部分なので自分たちのライフスタイルと照らし合わせて考えてください。
□生活関連事項
水道料金、ゴミの処分方法や費用、自治会やその他の加入義務の有無、助成金体制など。
新生活が始まったその日から直面していく問題です。現在の生活と大きく変わる部分については事前にしっかりと把握してください。
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②理想の家が物理的に建てられる土地か?
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ここでは現状イメージしている理想の家を物理的に建てることができるのか?という【建物目線】で検討していきます。
検討ポイントは次に挙げる3点です。
□法的に建築可能か?
建物の建築に制限を与える法律は無数にありますが、一般的に知られているのは都市計画法です。この中にある用途地域という項目では、よく耳にする建ぺい率や容積率、建物の高さ制限などが含まれています。
その他に敷地の高低差や造成方法、建物の外観、境界線からの後退距離、隣地への日影など、その他多くの制限がその土地ごとに関係する法令によって定められています。
たとえば・・・
・二階建てでは理想の大きさの家を建てられない
・思ったような外観にできない、使いたい色を外観に使えない
・土地の接道による問題で建築ができない
などといった制限のある土地もあります。
この項目では「検討している土地にどのような法的制限があるのか?」また「その制限は理想の家づくりに影響があるのか?」について考えます。
この項目は理想の家を実現するにあたり絶対的な条件となり、制限の内容によっては求めている家が建てられないということもあります。
□立地は問題ないか?
・天災等のハザードマップによる危険指定地域ではないか?
・土地につながっていく道に車輌規制がないか?
・周辺建物の影響で採光、採風がとれるか?
・周辺建物の影響で突風が吹いたりしないか?
上記以外にも臭いや音、埃(ほこり)を含め土地の周辺からの影響について考えます。
□敷地形状に問題はないか?
・考えている建物や配置に対して土地の形状は問題ないか?
・敷地内や道路との高低差に問題はないか?
・敷地の向きによる影響はないか?
敷地形状に問題があると活用できない無駄な部分ができてしまったり、接道からの進入場所が限定されたりします。問題の大小によっては、家づくりをゼロから計画し直すことも必要です。
この項目では【建物目線で検討】と説明しましたが、一般的な建ぺい率や容積率以外にかかる法規上の制限については、プロであっても間違いないか調査の必要がある重要事項です。
ある程度勉強をしていても思わぬ落とし穴があったりするので、できれば専門家(設計、不動産、建築)に相談することをお勧めします。
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③家づくりにおいて予定外の費用がかからない土地か?
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ここでは土地の購入費用以外に負担が発生しないよう【コスト目線】で検討します。
以下の内容は費用を投じて解決することもできますが、事前に把握しておく事で土地の購入費用として考えるか、あきらめる材料として考えるかを選択することができます。土地購入の検討材料として十分に確認してください。
検討ポイントは次に挙げる3点です。
□インフラに問題はないか?
給排水の引込みの有無や引込み配管の大きさ、汚水や雨水の最終マスの劣化状況、管底の深さ、都市ガスの引込みの有無、電気の埋設配管での引込みの有無、道路側溝の状態など生活インフラが設備されているかなどをチェックします。
また、すでにあるものが現在の基準に達しているか、新たに整備する必要がある場合にはどれくらいの費用が掛かるかを確認します。
□敷地内に違法物はないか?
既存擁壁やCB塀の高さ違反、地盤形成のための土留擁壁が構造的に強度不足、もしくは証明できないなど、これから建築するにあたり是正が必要でコストが発生するものはないかを確認します。
□その他の問題はないか?
目に見える例として敷地の土が微妙に高かったり、販売時に見た目を良くするために砕石を敷いていたりすると、建築時に処分する費用が発生します。
目に見えない例としては、地盤の強度不足や地中障害があげられます。地盤の強度については、周辺の地質や試験結果が公開されている場合もありますので、その情報から推測することも可能です。
地中障害については基本的に売主負担となり、コスト面でのマイナスはありませんが、発見するタイミングは一般的に基礎工事の時になるので、工事の遅延などの費用負担が発生することもあります。
これら以外にも、新築する場合は道路側溝を設置しなければいけなかったり、稀ですが湧水の排水経路を確保したりなど、一般とは異なる基礎形状の検討を必要とするケースもあります。
価格が相場より安い場合は、目に見えない理由が隠れていたりするので十分な注意が必要です。
この項目もできれば専門家(設計、不動産、建築)に相談することをお勧めします。
以上が土地選びにおいて、sootoが考える3つの観点です。
ただし、これらの確認をする前には、あらかじめ自分たちにとっての理想と建築予算を知っておくことが大切です。
土地購入に失敗しないため、弊社ブログにある【家づくりを上手に進めるための手順】“求める条件は?” と “かける費用は?”をぜひ参考にしてみてください。
最後にもう1点だけ。
法的な部分については、私たち建築士であっても自分の知識や経験だけを基準にせず、管轄する役所や消防署、土木事務所などでその土地特有の諸条件や制限の確認を行います。
設計にあたる際にはそういった事前確認がなされているので、申請を提出した際には大きな問題もなく建築の許可がいただけるのです。
不動産に関しては、一部の限られた土地でしか施行されていない条例や特殊な協定などの目に見えない制限も少なくありません。
一般の方がそれらすべてを把握することは本当に難しいので、土地の購入についても信頼できるパートナーに相談されることをお勧めします。
もちろん、sootoにご相談いただければ全力でサポートいたします。
今回も長くなりましたが、皆様にとって快適な家づくりとその先にある快適な新生活に向けて参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。