おはようございます😃
今回は、断熱性能を示すUa値(建物外皮の平均熱貫流率)の計算過程から
Ua値が良くても必ずしも快適とは言えない理由を説明します。
まずは、U値(熱貫流率)は熱がどれくらい奪われるかを表した数値ですが、
Ua値は、お家を構成する外皮(外気に接する部位)の 各部位毎の 熱損失量(奪われる熱量)の
合計を全ての面積(外皮面積)で割った 値であることを思い出してください😊
計算式のように表すと
(窓のU値×窓面積)+(外壁のU値×外壁面積)+(屋根のU値×屋根面積)+(基礎のU値×基礎面積)
II
(窓からの熱損失量)+(外壁からの熱損失量)+(屋根からの熱損失量)+(基礎からの熱損失量)
II
(建物外皮の熱損失量)
建物全体(外皮)の奪われる熱損失量がわかったら それを建物外皮の面積で割ります
(外皮の熱損失量)÷(窓の面積+外壁の面積+屋根の面積+基礎の面積)
II
(外皮の熱損失量)÷(外皮の面積)
II
Ua値(建物外皮の平均熱貫流率)
※基礎については実際の計算方法が違いますが、上記イメージがあれば理解しやすいと思います😃
ここまででわかったことは
熱を奪われやすい窓の配置、屋根や外壁の形状等は計算式には含まれていませんので
数種類の窓があったり、外壁の素材が一部 変わっていても Ua値だけでは
どの部分が”不快”の原因になるかわかりません。
熱損失量が大きい部位の周りは、夏は暑く冬は寒くなります。
つまり熱損失量の小さい部分と大きい部分では
その周辺の暑さ、寒さの快適さは大きく変わってきます。
そしてそれが、Ua値からはわからないと言うことです。
余談ですが、以前YouTubeで 真冬の屋外で 裸で全身にカイロを貼ったら暖かいのだろうか?
といった動画を見ました。
結果は ”わからない”でした😅
身体は極端に暖かいと冷たいが混在すると感覚が処理できなくなって
”わからない” となるようです。
同様に室内でも温度分布がバラバラだと 健康に良くない事は想像できると思います😣
長々と書きましたが、この計算方法やUa値を信じてはいけないという事ではなく
Ua値はあくまでも 建物の断熱性能の平均を示す値です。
それを目安にした上で、その土地、周辺環境にあった建物の形状や向き
窓等を含めた設計を行うことで
本当にいいお家になるという事が伝われば幸いです😊
今回、省エネ性能義務化で使用されるの説明プログラムから
Ua値の計算方法をお伝えしましたが
このプログラムは省エネ性能を示す指標であって
室内の温度分布や快適さを保証するプログラムではありません。
省エネプログラムについては、建物の断熱性能であるUa値の他に
・冷房期(夏)の平均日射熱取得率 ηAC値
・暖房時(冬)の平均日射熱取得率 ηAH値
・お家で使う住宅設備機器の年間使用エネルギーの総量
といった診断結果が得られますが、これらの数値についても
快適さにつながるヒントがありますので、またお話しさせていただきます😊
これで、断熱性能についてのお話は一旦終わりにさせていただきます。
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