こんにちは。
大阪府和泉市の工務店、一級建築士事務所sootoの足立です。
先日、堺市浜寺の現場にて気密測定を行いました。
浜寺の家は、玄関を入ると2階まで見渡せるL字型の大きな吹抜けが特長のお家です。
「空を見ながらゆったりとした時間を楽しみたい」という施主様のご希望を叶えるため、1階まで光が届くトップライト(天窓)を設けています。
その他にも、鉄骨階段やロフト、吹抜け部分の大きな窓、外からの視線が少なくなるような窓の配置など、パッシブだけでなく意匠(デザイン)にもこだわった建物です。
この辺りについては、9月25日と26日に開催する構造見学会でお話させていただきますね。
(ご興味のあるはこちらのフォームからお申し込みください)※1日3組限定です。
1. そもそも気密って必要なの?
気密測定とは、簡単にいうと「家全体の隙間」を調べる検査のこと。
「家に隙間ってあるの?」と思われるかもしれませんが、残念ながらどのような工法で建てたとしても少なからず隙間はできてしまいます。
たとえばサッシ周りや床下、基礎など、それぞれがたった0.1㎜のすき間であったとしても、家全体となれば結構大きな面積になるのです。
隙間が多くなるとどんなデメリットがあるのかというと、冬場に暖房器具で部屋を暖めたとしても、天井の隙間から暖気が逃げてしまいます。
さらに床の隙間からは取り込みたくもない外の冷気が入り込み、足下が冷え込む原因になります。
これは夏場も同様で、冷房を掛けても隙間から部屋の冷気が逃げ出し、蒸し暑い空気が外から入り込むことになります。
もちろん、エアコン効率を妨げるので電気代も上がり、コロナ過で重要な室内の計画換気ができなくなります。
また、優れた断熱材を入れて高断熱を実現していたとしても、隙間があることで本来の断熱性能が100%発揮できないだけでなく、壁の中での結露(壁体内結露)や室内のカビの原因にもつながります。
逆に家の隙間が小さければ小さいほど、断熱材の性能を発揮でき、換気効率も高まります。その結果、結露やカビの発生が少なくなるのです。
つまり、「高気密の実現」が「快適」に直結しているので、「快適さ」にこだわるsootoでは全棟で気密測定をおこなっているのです。
2.気密測定でわかること
気密測定では、家の隙間を面積で表します。
建物の床面積1㎡あたり、どの程度の隙間面積があるかを特殊な機器を使って数値で測定するのです。この隙間の面積のことを「C値」と呼びます。
この「C値」がゼロに近いほど気密性能が高い=快適な家ということになります。
※単位は隙間面積(㎠)/床面積(㎡)となり、床面積1㎡あたりの隙間面積。
ちなみに一般的な住宅のC値基準は5.0(ハガキ5枚分の隙間)、sootoが採用しているスーパーウォール工法では1.0(ハガキ1枚分の隙間)を基準としています。
さて、気密測定では、検査員の方々がこのような機械を設置していきます。
大きなバズーカーみたいな機械で家の空気を外に排出していく訳ですが、検査員の方が機械を設定している間に、ドアや窓などを閉めたり、換気扇や給気口などにテープで目張りしていきます。
※気密測定は意図していない隙間を測るものなので、換気扇や給気口などの意図的な隙間は目張りして計測することが認められています。
3.気密測定の結果は・・・
測定が終わり、検査員の方から数値が発表されます。
緊張の一瞬、、、
…で、実際の測定結果はこちら。
スーパーウォール工法のC値基準である1.0(ハガキ1枚分の隙間)を大きく下回る0.2(5.39㎝角)が計測!
検査員の方曰く
「凹凸のない四角い家ならともかく、デザインされた変形のある家でこの数値はすごい!」とのことでした。
sootoの大工さん達が日々の作業のなかで気密を意識し、地道に積み上げてきたことが数値として評価された瞬間です。
良い数値が計測されたので関係者からは笑顔がこぼれました。
最後に、sootoでは家が完成した後ではなく、家の気密性能が確保できた段階(工事途中)で気密測定を実施しています。
その理由は、sootoが想定しているC値より大きかった際、隙間の場所を特定して手直しすることができるからです。(完工後であれば、場所の特定は困難になります)
ですので、sootoにおける気密測定とは単に良い数値を出すためではなく、しっかりとした気密が確保されているかを工事途中で確認するためのものなのです。
とはいえ、良い数値が出れば嬉しいことには変わりありません(^^)
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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